この記事を読むと次のことが分かります。
✅ 迎える日から揃えるべき8点(爪とぎを含む理由)
✅ 「最初は最小限、様子を見て買い足す」ことで無駄を防ぐコツ
必需品選びの3つの判断軸
「猫を迎えるとき、何を揃えればいいのか」。
これは、猫を迎えることを検討している人が最初にぶつかる壁のひとつです。
ネットで検索すると「これも必要」「あれも必要」と次々出てきます。初期費用が気になって、最初からすべて揃えようとして途方に暮れた方もいるのではないでしょうか。
私(ねこ室長)は3年以上猫を迎えるか悩んでいる飼育未経験者です。複数の獣医師監修記事・ブリーダー情報・専門メーカーの情報をもとに、検討者目線で必需品を整理しました。
なお、迎えるまでの全体像は『はじめて猫を迎える人のためのロードマップ』で、迎えてからの実践は『子猫を迎える初日〜1ヶ月の過ごし方』でそれぞれ整理しています。
本記事は「何を揃えるか」というアイテム選びに特化した内容です。
3軸で考えると整理しやすい
必需品を選ぶうえで、次の3軸を意識すると判断がしやすくなります。
| 軸 | 内容 |
|---|---|
| 軸1:タイミング | 迎える日/1週間以内/落ち着いてから |
| 軸2:必要度 | 最低限必須/あると便利/好みで |
| 軸3:選び方 | 個体差・住環境・予算 |
重要なのは、いきなり全部揃える必要はないということです。
猫の好みは想像以上に個体差があり、迎える前に大量に揃えても合わないものが出てきます。「タイミングを見て、少しずつ揃える」のが、無駄を防ぐコツです。
迎える日に必須のアイテム(8点)
ここで紹介する8点は、迎える日までに揃えておきたいアイテムです。子猫が安心して過ごせる環境のために、まずこの8点を整えましょう。
1. キャリーケース
迎えに行くその日から必要になるため、最優先で準備するアイテムです。
選び方のポイント:
上開き+前開きの両方に対応したハードタイプが長く使えます。動物病院の診察台に上から出し入れできるため、猫のストレスを軽減しやすいです。
2. トイレ+猫砂
猫がリラックスして排泄できる環境は、健康管理の基本です。
選び方のポイント:
できるだけ前の家と同じトイレ・猫砂を用意しましょう。環境の変化が重なるほど子猫のストレスが増えます。
トイレの数は「猫の頭数+1個」が理想とされています。なお、複数置く場合は別の部屋など離れた場所に分散して配置することで、猫が選択肢を持ちやすくなります(参考:猫写真家雨樹一期の解説等)。
3. フード(前の家と同じもの)
迎えてすぐの子猫は、環境の変化だけで大きなストレスを受けています。
選び方のポイント:
最初はブリーダーやシェルターで与えていたものと同じフードを用意します。
落ち着いてから別のフードに切り替える場合は、7〜14日かけて少しずつ混ぜて移行しましょう(参考:ライオンペット〔東京猫医療センター監修〕)。
4. 食器(フード用・水用)
食事のしやすさは食欲にも影響します。
選び方のポイント:
ひげが当たりにくい浅広タイプ、または高さのあるスタンド付きが使いやすいです。素材は陶器製やステンレス製が傷つきにくく、清潔を保ちやすいとされています(プラスチック製は傷に細菌が繁殖し、顎の皮膚炎の原因になることがあります)。
水用はフード用とは別の器を用意し、離れた場所に置くと飲水量が増えやすいです(参考:ライオンペット)。
5. ケージまたは落ち着けるスペース
迎えた初日の子猫には、「ここが自分の場所」と思える空間が必要です。
選び方のポイント:
ケージを用意する場合は、1〜2段のものから始めると圧迫感が少ないです。ケージを使わない場合でも、クローゼットの一角や段ボール箱など、子猫が隠れられるスペースを作りましょう。
6. タオル・寝具
慣れない場所では、嗅ぎ慣れた匂いが安心感につながります。
選び方のポイント:
可能であれば、迎える前の家で使っていたタオルや毛布をもらっておくと理想的です。準備が難しい場合は、清潔で柔らかいタオルで代用できます。
7. 動物病院の連絡先
体調の変化や事故は、迎えた直後にも起こり得ます。
選び方のポイント:
近隣の動物病院の診療時間・診療科目・夜間対応の有無を、あらかじめ確認しておきましょう。
迎えてから探すのではなく、迎える前にかかりつけ候補を決めておくと安心です。
8. 爪とぎ(複数素材を1〜2個)
多くの必需品リストでは「迎えた後でいい」や「あると便利」に分類されがちですが、爪とぎは迎える日から設置することをおすすめします。
爪とぎを早めに設置する理由
爪とぎは猫の本能的な行動で、マーキングの意味を持ちます。
猫は肉球から分泌される匂いを爪とぎの場所に擦りつけて「ここが自分のテリトリー」と記憶する習性があります。匂いだけでなく、視覚的な痕跡やストレッチ行動も含めた複合的な意味があります(参考:松波動物メディカル「猫の爪とぎ対策」)。
注意したいのは、一度家具や壁で研ぐ習慣がつくと、後から専用の爪とぎを置いても同じ場所で研ぎ続けるケースが多いことです。
マーキング目的の場合は「場所」が重要なため、習慣化した場所を変えるには時間がかかります(参考:東リ「ペットと暮らす住まいの悩みQ&A」専門家Q&A)。後から修正することは可能ですが、最初から専用スペースを用意しておく方が、お互いのストレスが少なく済みます。
事前に専用スペースを用意することが、家具や壁の傷を防ぐ現実的なリスク回避策です(参考:tama)。
トイレと同じレベルで「迎える日から」設置する、という意識で準備しましょう。
- 素材は段ボール・麻・木製・カーペットなど種類があり、好みは個体差が大きい
- 最初は段ボール製(安価・消耗品)を複数枚と、麻または木製を1本用意するのが目安
- 縦置き(立てかけ型)と横置き(床置き型)の両方を試すと、好みが分かる
- 設置場所は猫が過ごす場所の近くや、部屋の入り口・コーナーなどマーキングしたがる場所が効果的
1週間以内に揃えるアイテム(5点)
迎えた直後はバタバタしがちです。
子猫が少し落ち着き始める2〜3日目以降に必要になるものを、1週間以内に揃えておきましょう。
1. おもちゃ(数種類)
猫のおもちゃは、好みの個体差が特に大きいアイテムです。
選び方のポイント:
まず2〜3種類(じゃらし・ボール・トンネルなど)から試してみましょう。
高価なものを揃えるより、反応を見ながら少しずつ増やすほうが無駄になりにくいです。
2. ブラシ
被毛のケアは健康管理にもなり、スキンシップの機会にもなります。
選び方のポイント:
短毛種はラバーブラシ、長毛種はスリッカーブラシが向いています。
子猫の場合は柔らかいブラシから始め、触られることに慣らすのが先決です。
3. 予備のキャットフード(成長期用)
子猫用のフードは「幼猫・子猫用」のものを使います。
選び方のポイント:
迎えた直後はフードを切り替えない期間のため、予備を用意するのは1〜2週間後で十分です。
切り替える場合は7〜10日かけて少しずつ混ぜながら移行しましょう。
4. 爪切り
子猫の爪は成猫より細く尖っており、伸びるのも早いです。
選び方のポイント:
猫専用の小型爪切りを用意しましょう。
目安は子猫で10日に1回程度、成猫で2〜3週間に1回程度です。最初は無理に切ろうとせず、爪を触ることに慣らすところから始めましょう。
5. ペット保険の検討
ペット保険は加入できる年齢に上限があるものが多く、若いうちに検討するほど保険料を抑えやすい傾向があります。
商品によって待機期間(加入後すぐは保証されない期間)があるため、早めの検討がおすすめです。
詳しい判断軸は『猫のペット保険は本当に必要?』をご覧ください。
落ち着いてから検討するアイテム(4点)
猫が新しい環境に慣れて、生活リズムが見えてきた頃に検討するアイテムです。
迎える前から準備する必要はありません。
1. キャットタワー
子猫は上下運動を好みますが、最初から大きなものを揃える必要はありません。
選び方のポイント:
ジャンプ力がつく生後4ヶ月以降が導入の目安です。それまでは椅子やソファの段差で十分です。
まず段ボール箱や低めのスペースで上下運動の好みを観察し、どのくらいの高さを好むか分かってから選ぶと失敗しにくいです。
2. 猫用ベッド
柔らかいもの・くるまれる感じのもの・網目素材など、好みは猫によって大きく異なります。
選び方のポイント:
最初はタオルや毛布を丸めたもので様子を見ましょう。
気に入るかどうかは実際に置いてみないと分からないため、落ち着いてから試すほうが無駄になりにくいです。
3. 自動給水器
流れる水を好む猫には効果的なアイテムです。
選び方のポイント:
まずは普通の食器で水を飲めているかを確認しましょう。
あまり水を飲まない様子があれば、自動給水器を検討するタイミングです。
猫の水分補給については、『「猫は水を飲まない」の誤解を解く』も参考にしてください。
4. 脱走防止グッズ
子猫は環境に慣れてくると、好奇心から外に出ようとすることがあります。
選び方のポイント:
網戸ストッパー・玄関の二重扉設置・ベランダへの出口ブロックなどが代表的です。
迎えた直後は環境慣れが先決ですが、活発になる生後3〜4ヶ月頃までには対策を整えておきましょう。
あると便利なアイテム(5点)
必須ではありませんが、日々の暮らしをちょっと楽にしてくれるアイテムです。
生活リズムが見えてきてから、必要を感じたものから取り入れましょう。
コロコロ・粘着クリーナー:猫の抜け毛は想像以上に広がります。ソファや洋服用に1本あると便利です。
コードカバー・コンセントガード:噛みつき・感電のリスクを減らせます。子猫は特にコードに興味を持ちやすいです。
ペットゲート:キッチンや浴室など入れたくない場所の区切りに使います。猫の動線が把握できてから設置場所を決めましょう。
スマート温度計:留守中の室温・湿度をスマートフォンで確認できます。留守番が増えてきたら検討したいアイテムです。夏の温度管理については『猫のための夏の暑さ対策』、適切な室温の目安は『猫が快適に過ごす室温と湿度』をご覧ください。
キャットドア:部屋を自由に行き来できるようにする小扉です。生活スペースが固まってから設置を検討するのが現実的です。
いきなり買わなくてもOK——少しずつ増やせるアイテム
「あれもこれも揃えなきゃ」と焦る必要はありません。
猫を迎えてから少しずつ揃えていくのが、実は一番効率的なやり方です。
少しずつ増やせる3つの理由
猫の好みは想像以上に個体差があります。「人気のおもちゃに全然ハマらない」「高級なベッドより段ボール箱が好き」ということが珍しくありません。
迎えてみないと分からないことが多いため、最初から大量に揃えるのはリスクがあります。
子猫期に好んでいたおもちゃや寝床の好みが、生後半年〜1年で変わることがあります。最初から大きなキャットタワーを揃えなくても、段ボール箱で喜んで遊ぶことも多いです。
おもちゃ・寝具・隠れ家など、最初は100円ショップやお下がりで代用できるものが多くあります。お気に入りの場所や素材が分かってから、ちゃんとしたものを揃えれば十分です。
少しずつ増やせるアイテムの例
- キャットタワー:好みの高さや素材を観察してから(ジャンプ力がつく生後4ヶ月以降が導入目安)
- 猫用ベッド:素材の好みが分かってから
- おもちゃ:1〜2種類の反応を見てから追加
- 自動給水器:水分摂取量が気になり始めたら
- ペットゲート:行動範囲が広がってから
- スマート温度計:留守番が増えてから
ただし、安全に関わるものは迎える前にチェックを
「少しずつ揃える」スタンスでも、安全に関わるものだけは迎える前に確認しておきましょう。
ユリ・ポインセチア・アロエ・ポトス・ドラセナ等は猫に有毒なものが含まれます。迎える前に家にある植物を確認し、必要なら撤去または猫の手の届かない場所に移してください。
最近のものは無毒な高吸水性ポリマーが多いですが、古いものや一部製品にはエチレングリコール(猫に強い毒性)が含まれます。夏場に使う場合は、ペット対応品を選ぶか、人間用でも成分を確認したものを使いましょう(詳しくは『猫のための夏の暑さ対策』を参照)。
誤飲・感電のリスクがあります。細いコードや飲み込みやすい小物は、猫の届かない場所に整理しておきましょう。
探索期に脱走するリスクがあります。網戸ストッパーや手すりの隙間対策を、活発になる頃までには整えておくと安心です。
少しずつ揃える楽しさ
猫を迎えてから「この子は何が好きかな?」と観察しながら揃えていく時間は、猫との関係を深めるプロセスでもあります。
最初から完璧を目指さなくていい。猫の好みを発見しながら、一緒に環境を作っていきましょう。
よくある質問
ペット用品の初期費用は2〜5万円程度が目安です。これに動物病院でのワクチン接種・健康診断費用(1〜2万円)を加えると、初月の支出は3〜7万円ほどになることが多いです(参考:リッチェルLIFE+)。
費用全体の内訳は、『猫を飼う費用の完全シミュレーション』で詳しく整理しています。
キャリーケース・ケージ・キャットタワー・おもちゃは中古品でも問題ありません。一方、フード・食器・猫砂・トイレ・爪とぎは新品がおすすめです。特にトイレや爪とぎは前の使用者の匂いが残ると、子猫が落ち着いて使えない場合があります。
観葉植物の中には猫に有毒なものがあります。ユリ・ポインセチア・アロエ・ポトス・ドラセナなどは特に注意が必要です。迎える前に家の植物を確認し、猫に有毒かどうかを調べておきましょう。
不安な場合はかかりつけ獣医師に確認するのが確実です。
先住ペットがいる場合は、子猫専用のトイレ・食器・寝床を別途用意しましょう。匂いが混ざることで互いのストレスが増えることがあります。顔合わせは段階的に進めるため、子猫を一時的に隔離できるケージや部屋の確保も重要です。
賃貸の場合は爪とぎによる壁・柱の傷対策が特に重要です。爪とぎを迎える日から設置し、壁の角には保護シートを貼っておくと安心です。また、ペット可物件かペット相談物件かで飼育ルールが異なるため、契約内容を事前に確認しておきましょう。
部屋づくりの詳細は、『1Kや1LDKで猫は飼える?広さの目安と部屋づくりの3つのポイント』もあわせてご覧ください。
まとめ・次のアクション
✅ 迎える日の8点(爪とぎ含む)→ 1週間以内 → 落ち着いてからの順で揃えれば十分
✅ 「最初は最小限、少しずつ買い足す」が無駄を防ぎ、猫との発見も楽しめる
子猫の必需品は「一気に全部揃える」ものではなく、「段階的に整える」ものです。本記事の3つの判断軸を参考に、迎える前からイメージしておくことで、当日も慌てずに済みます。
「この子は何が好きかな?」と観察しながら少しずつ揃えていく時間は、猫との暮らしの始まりそのものです。
- 『はじめて猫を迎える人のためのロードマップ』 → 迎えるまでの全体像
- 『子猫を迎える初日〜1ヶ月の過ごし方』 → 迎えた後の実践
- 『猫を飼う費用の完全シミュレーション』 → 初期費用の全体像
- 『猫のペット保険は本当に必要?』 → 保険加入の判断軸
- 『「猫は水を飲まない」の誤解を解く』 → 食器・水分補給の工夫
- 『1Kや1LDKで猫は飼える?広さの目安と部屋づくりの3つのポイント』 → 部屋づくりの基本
免責事項
本記事は2026年5月時点の公開情報・複数の獣医師監修記事・専門メーカーの情報をもとに調査・作成しました。
- 猫の好みは個体差が大きく、本記事のアイテム選びはあくまで一般的な目安です
- 観葉植物の安全性・健康管理の個別判断はかかりつけ獣医師にご相談ください
- 中古品・代用品の使用判断は飼い主の自己責任となります
この記事で参考にした主な情報源
- 複数の獣医師監修記事(アニコム損保・ライオンペット〔東京猫医療センター監修〕等)
- 松波動物メディカル「猫の爪とぎ対策」
- 東リ「ペットと暮らす住まいの悩みQ&A」
- ロイヤルカナン公式情報
- リッチェルLIFE+
- 環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」
- 複数のブリーダー・専門メーカーの情報サイト

