最初のキャットタワーの選び方【いつ買う?据え置き・突っ張りの選び方と1K賃貸対応版】

迎える前の準備

この記事を読むと次のことが分かります。

  • キャットタワーは必需品ではなく「あると豊かになる」アイテム。迎える前に考え方・選び方を整理しておく
  • 据え置き・突っ張り型の2タイプと1K・賃貸での現実的な選び方
  • 「使われないキャットタワー」になるのを防ぐ設置場所・慣らし方
※この記事には商品の使用体験レビューはありません。複数の情報源を調査した結果に基づいて書いています。最終的な選択はご自身と愛猫の環境に合わせてご判断ください。

キャットタワーは「迎える前に必ず買う」アイテムか

キャットタワーは、別記事『子猫を迎える前に揃える必需品リスト』で「揃えると便利なアイテム」に分類されています。キャリーや爪とぎ・トイレが「迎える前日までに必ず準備するもの」なのに対し、キャットタワーは性格が異なります。

「迎えた後、落ち着いてから導入する」でも遅くありません。迎えてすぐは猫も人も緊張状態です。そのタイミングでキャットタワーに慣れることを求めるのは難しく、まずは猫が新しい環境に慣れる方が優先です。

ただし「いつか買おう」と後回しにして準備を怠ると、必要になったときに選び方が分からず慌てることになります。本記事では迎える前に選び方を整理しておくことを目的としています。

キャットタワーをいつ買うか、買うかどうかも含めて、迎える前に考えておくことが読者の役に立つと考えています。

キャットタワーに何を期待するか

キャットタワーの商品を見比べる前に、「何のために用意するのか」を押さえておくと選び方がシンプルになります。

●上下運動の場所を確保する

室内飼育では猫の行動範囲が限定されがちです。高低差のある空間を移動することは、猫の体と精神の健康につながります。猫行動学の文献(Beaver, 2003など)では、高所利用や垂直方向の空間利用が猫の自然な行動特性として説明されています。

●見晴らしの良い高い場所での休息

猫は全体を見渡せる高い場所にいるとき、安心してくつろぐ傾向があります。縄張りを見渡せる位置に居場所があることは、精神的な安定につながるのです。

●来客時・環境変化時の「逃げ場」

査読研究では、来客などで人の利用が多い時間帯に猫が高所や専用エリアを好む傾向が報告されています。多頭飼いの環境や来客時など、猫が落ち着ける場所を確保できることは大切な配慮です。

これらの役割は、キャットタワー以外でも一部は代替できます。窓辺に設置するキャットステップや、高めの棚のスペースを確保することでも、ある程度の観察・休息ニーズには対応できるでしょう。1K・賃貸でスペースに悩む方は、後述の『1K・賃貸でのキャットタワー事情』のセクションで代替案を詳しく紹介しています。

選び方の2つのポイント

タイプで選ぶ——据え置き vs 突っ張り

キャットタワーは大きく「据え置き型」と「突っ張り型」の2タイプに分かれます。

据え置き 突っ張り
設置 工具不要・移動しやすい 床と天井で固定
安定性 低重心型を選べば十分 揺れにくい
賃貸での原状回復 ◎(問題なし) △(天井・床に圧力跡が残る可能性)
高さ 〜170cm程度が多い 天井高を活かせる

価格帯の目安としては、据え置き型は3,000円台〜1万円台が中心、突っ張り型は1万円前後〜が多い傾向です。

賃貸に住んでいる場合は、据え置き型が無難です。突っ張り型は床と天井に強い圧力をかける構造のため、設置状況によっては圧力跡や凹みが生じる可能性があり、退去時の問題に発展するケースも考えられます。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方を踏まえると、賃借人の故意・過失による損傷は原状回復の対象になり得るため、突っ張り型を設置する場合は事前に賃貸契約の内容を確認することをおすすめします。

据え置き型の安定性の目安は「低重心」「台座が広い」「支柱が太い」の3点です。体格の大きな成猫が飛び乗っても倒れにくい設計かどうかを、製品仕様で確認してください。

別記事『賃貸で猫を飼う完全ガイド』では、賃貸での猫飼育における原状回復の基本的な考え方を整理しています。

猫の年齢・体格で選ぶ

●子猫(1歳未満)

子猫は運動能力が発達途上のため、次のような視点で考えるとキャットタワーを選びやすくなります。

  • 足が滑りにくい素材(ファブリック・麻系)
  • ステップ間隔が広すぎない設計
  • 安定性を重視した比較的低めのモデル

体格が小さく予測不能な動きをする時期なので、まずは安定性を優先してください。

●成猫(1〜10歳)

成猫の場合は、棚板の広さが体を伸ばして寝られるサイズ(30cm以上)かどうかを確認します。

  • 体格・体重に合った台座サイズと耐荷重

この確認が基本です。ハンモックやポールが付いたモデルはバリエーションとして選択肢になりますが、最初の1台として優先度は高くありません(よくある質問で補足します)。

●シニア猫(11歳以上)を迎える場合・成猫がシニアになる将来

シニア猫を最初から迎える場合は、次のような視点も必要になります。

  • 段差が少なく緩やかなステップ設計

子猫から迎えた場合、成猫期は安定性重視で選んでおき、シニアになったら段差を緩くするキャットタワーへの買い替えやレイアウト変更を検討するのが自然な流れです。
ただし最初の1台から、「シニアまで使えるキャットタワー」にこだわりすぎる必要はありません。「最初から完璧を求めない」というスタンスは、このシリーズを通しての大切なことです。

子猫・成猫・シニアの特徴については、別記事『子猫と成猫、どちらから迎える?』でも詳しく扱っています。

1K・賃貸でのキャットタワー事情

1Kやワンルームでキャットタワーを置く場合、設置スペースの確保が最初の課題になります。

●設置場所の優先順位

窓の近くが最優先です。猫は外の景色を観察するのを好む傾向があり、窓の外を観察できる位置は、猫が好む設置場所の候補になります。部屋が狭い場合はコーナーに設置することで、床面積の損失を抑えられます。

突っ張り型の賃貸リスクについては前述の通りです(『タイプで選ぶ』のセクション参照)。1K・賃貸では据え置き型が現実的な選択肢です。

●キャットタワーを置かない選択肢

キャットタワーなしで高所ニーズを補う方法もあります。

  • 窓辺キャットステップ・窓辺ハンモック:窓枠に取り付けるタイプは床面積を使わず、観察ニーズに応えられます
  • 高めの棚・冷蔵庫の上:猫が自然に登れる高い場所として、既存の家具を活用する方法
  • 賃貸対応の壁付けキャットウォーク:工具不要・原状回復対応の突っ張り棚タイプも市販されています

これらは「キャットタワーの完全な代替」とは言えませんが、スペース制約が大きい場合の無理のない選択肢です。部屋全体のレイアウトを含めた環境設計は、別記事『猫が喜ぶ部屋づくり』と別記事『1Kや1LDKで猫は飼える?』で詳しく扱っています。

●収納の視点

万が一使われなかった場合や引越し時を考えると、解体してコンパクトに収納できるモデルを選ぶと安心です。製品仕様に収納時サイズが記載されているか確認しておきましょう。

「使われないキャットタワー」を防ぐために

キャットタワーを用意したのに猫が全く乗らない——こうした経験談はよく聞かれます。いくつかの原則を押さえておくと、この状況を防ぎやすくなります。

●設置場所が使用頻度を左右する

査読研究では、来客などで人の利用が多くなる環境変化があるとき、猫が高所を好む傾向があると報告されています。設置場所の選び方には、いくつかのポイントがあります。

推奨する設置場所:

  • 人が日常的にいる部屋(猫は一人で孤立した場所より、人の気配のある場所を好む傾向があります)
  • 窓の景色が見える位置
  • 隙間風が直接当たらない場所

●導入直後は使わなくて当然

猫が新しいものに慣れるには時間がかかります。導入してすぐに乗らなくても、それは自然なことです。「置いておくだけ」の期間を数日〜1週間設けてみてください。

慣らし方の基本:

  • おやつやおもちゃをキャットタワーの上に置いて自然に誘導する
  • 使い慣れた毛布や猫の匂いがついた布を棚板に置く
  • 急かさず、猫のペースに合わせる

●それでも使わない場合の見直しポイント

最初に設置した場所が全てではありません。置き場所を変えることが、最も効果的な見直しポイントです。素材が好みでない可能性もあります(ファブリック・麻・カーペットなど、好みには個体差があります)。
キャットタワー自体の揺れも確認してみてください。不安定なキャットタワーは、猫が信頼感を持てずに使わないことがあります。

商品紹介(代表例)

以下は選び方のポイントと整合性が高く、流通実績・レビューが確認できた代表例です。

据え置きスタンダード型

アイリスオーヤマ 収納付きファブリックキャットタワー SFC-157

国内の大手メーカー「アイリスオーヤマ」の据え置き型キャットタワーです。ステップを2本以上のポールで支える設計で、ステップ1枚あたり6kg・全体12kgまでの耐荷重があります。体格の大きな成猫にも対応しやすい安定構造です。

土台には収納ボックスが付いており、5Lの猫砂を2個まで収納可能です。中に猫砂を入れることで、重心が下がり安定性を高められる工夫がされています。ふたの裏面には突起が付いていて、猫がいたずらしても外れにくい仕様も嬉しいポイントです。

ステップ部分はファブリック素材で猫の足が滑りにくく、最上階のベッド・ハンモック・麻縄巻きの爪とぎポール4本・5段のステップを備えています。工具不要で組み立てられるのも特徴で、ユーザーの声でも組み立てやすいとの好評を得ています。

  • 素材:パーティクルボード(木部)・ポリエステル100%(生地)・麻縄(爪とぎポール)
  • 形状:据え置き型(収納ボックス付き土台)
  • サイズ:幅約51cm × 奥行約60cm × 高さ約157.5cm
  • 価格帯:7,000〜8,000円前後(要販売ページ確認)

コンパクト・子猫向け型

necosekai イージーキャットパーク

コンパクトなキャットタワーとして紹介したいのが necosekai(ネコセカイ)のイージーキャットパークです。高さ約99cmで1Kでも置きやすいサイズ感。のぼって、かくれて、顔出して、楽しく遊べる3階建ての構造になっています。

最上階は猫の体重で床が少したわむ設計で、ハンモックのようにリラックスできるくつろぎ場として使えます。中央のお部屋は通気性のよいメッシュ素材で、ファスナー付きの扉と円形メッシュ窓を閉じれば、来客時に簡易サークルとして活用することもできます。

底面におもりがついているので倒れにくく、万が一倒れても軽量なので安全に配慮された設計です。工具不要で組み立てられ、使わないときはコンパクトに折りたためる手軽さも魅力です。
ユーザーの評価も高く(楽天市場で★4.6※2026年6月調査)、「ケージ代わりにも」という声もありました。

  • 素材:本体ポリエステル・PVC加工/支柱ファイバーグラス
  • 形状:据え置き型(折りたたみ収納可・3階建て構造)
  • サイズ:W55 × D55 × H99cm(収納時 H5cm)
  • 価格帯:16,500円前後(要販売ページ確認)

よくある質問

キャットタワーはいつ買えばいい?迎える前?後?

迎える前に必ずしも買う必要はありませんが、あらかじめ「選び方を知っておく」のがおすすめです。

迎えた直後は、猫も人も緊張状態が続きます。落ち着いてからキャットタワーを探し始めても、なかなか時間が取れないこともあります。選び方の判断基準(タイプ・サイズ・設置場所)を迎える前に整理しておき、必要だと感じたタイミングで購入するのが理想的です。

突っ張りタイプは賃貸でも大丈夫ですか?

物件によりますが、リスクがあることを認識しておいてください。突っ張り型のキャットタワーは床・天井に強い圧力をかける構造のため、退去時に圧力跡が残る可能性があります。国土交通省の原状回復ガイドラインでは、故意・過失による損傷は借主の負担になるとされています。

賃貸に住んでいる場合は、据え置き型を選ぶのが無難です。突っ張りタイプの設置を検討する場合は、賃貸契約の内容を事前に確認してください。

猫がキャットタワーを使ってくれない場合はどうすればいいですか?

まず設置場所を見直してください。窓の景色が見える位置・人の気配がある部屋への移動が最も効果的です。

導入直後にキャットタワーを使わなくても、それは自然なことです。おやつやおもちゃで誘導したり、猫の匂いがついたタオル・布を棚板に置いたりしながら、数日〜1週間ほど様子を見てください。

それでも使わない場合は、素材の好みや揺れの有無も確認してみましょう。

1匹飼いでもキャットタワーは必要ですか?

必須ではありませんが、上下運動の場所として有用です。室内飼育では猫の行動範囲が限定されるため、高低差のある空間があると生活の質が上がりやすくなります。

置けないスペース・予算の場合は、窓辺キャットステップや高めの棚を代替として検討することも一つの選択肢です。

ハンモックやポール付きのキャットタワーは最初から選んだ方がいいですか?

最初の1台としては優先度は低めです。ハンモックやポールは猫が慣れた後に「あると喜ぶ」オプション的な要素です。

まずは安定性・サイズ・設置場所の条件を満たすベーシックなモデルを選び、成猫期以降に猫の好みを見ながら追加検討するのが自然な流れです。

キャットタワーとキャットウォーク、どちらが良いですか?

「どちらが良いか」ではなく、目的と環境に合わせて選ぶのが適切です。

キャットタワーは据え置きで上下運動・休息・遊びを一体化したアイテム、キャットウォークは壁や天井に設置して水平移動のルートを作るアイテムです。賃貸では壁への設置が難しい場合が多く、工具不要の突っ張り棚タイプなら対応できることもあります。

まずキャットタワーで環境を整え、余裕ができたらキャットウォークを追加するのが一般的な流れです。

まとめ・次のアクション

  • キャットタワーは必需品ではなく「あると豊かになる」アイテム。迎える前に検討をしておき、落ち着いたタイミングで導入すれば十分
  • 賃貸・1Kでは据え置き型が無難。突っ張り型は揺れにくいが天井・床への圧力跡に注意。スペースが限られる場合は窓辺ステップや棚の代替案も
  • 設置場所が使用頻度を左右する。「窓の景色が見える位置」「人の気配がある部屋」の2点を意識して置いてみる

詳細は各セクションで扱っています。選び方のポイントを押さえておけば、あとは猫の様子を見ながら少しずつ整えれば十分です。

次の一歩

より深く知りたい方へ

関連トピック


参考文献

  • Bonnie V. Beaver「Feline Behavior: A Guide for Veterinarians」(Elsevier Health Sciences, 2003)
  • Elin N. Hirsch, Belén Navarro Rivero, Maria Andersson「Cats in a Cat Café: Individual Cat Behavior and Interactions with Humans」(Animals 2025, 15(22), 3233 / NCBI PMC)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC12649627/
  • 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)